秋が来た。 うすい青空が高く晴れわたり、そこへ羽毛をプッと吹ぎ散らしたように、軽い綿雲が一面に浮かんでいる。そういう空模様の日が毎日つづいた。 バスは停留所で速度を落として止まりかけたが、標識の下に人影のないのを見たワンマンバスの運転手は、すぐにまたバスを進発させようとしたせつなだった。